腹臥位における全身按摩(50分)

注釈がある場合を除き、以下共通の事項とする。
1.必要に応じて枕・胸当てを使用する。
2.施術者は患者の左側で、1側または両立つち膝となり、患者の頭側を向いて施術する。
3.全ての手技は2回ずつ行い、左側を2回行った後、右側を施術する。
4.支えの手は、反対側におく(支えが重くならないように注意)。
5.母指揉捏は基本的に全て線状で行う。手根揉捏・四指揉捏は全て輪状で行う。

1 肩背腰部全体の手掌軽擦法

(1)両手掌を第7頸椎付近に並べて当てる。そこから、両手掌を開くように僧帽筋上部線維に沿って上腕外側に流す。
(2)両手掌で僧帽筋上部を軽く把握し、そこからまっすぐ下に、肩甲骨下角の高さまで行き、側方に流す。
(3)両手掌で僧帽筋上部を軽く把握し、そこからまっすぐ下に、腰椎の高さまで行き、側方に流す。

2 肩上部僧帽筋の手掌把握牽引法

 左右同時に行う。手掌を肩上部に当て、四指は鎖骨に向ける。手掌全体で把握し、軽く頭側に牽引する。

3 肩上部の両四指揉捏法

 左右の頸の付け根に四指をおき、同時性の輪状揉捏を行う。

4 肩上部の母指揉捏法

以下の3線に行う。
(1)頸のつけ根から僧帽筋の前縁に沿って、鎖骨中央まで(1線)。
(2)第7頸椎直側から肩甲骨上角に向かい、僧帽筋上部線維後縁に沿って肩峰まで(2線)。 (3)第7頸椎直側から肩甲棘内端に向かい、肩甲棘に沿って肩峰まで(3線)。  ☆1線は患者の頭部側から行う。

5 背部肩甲間部の母指揉捏法

(1)第7頸椎直側に母指、肩上部に四指を当てる。そのまま下方に向かって揉捏し、第7胸椎の高さまで(1線)
(2)第7頸椎の外側約2cmの位置から、脊柱起立筋の筋腹に沿って下方に向かい、第7胸椎の高さまで(2線)
☆指は脊柱に対して平行に動かす。

6 肩甲骨内縁の母指揉捏法

 左を行う場合、支えの手は右棘下部におく。左手の母指を肩甲棘内端に当て四指は肩上部に向ける。そのまま肩甲骨の内縁に沿って揉捏する。指は肩甲骨内縁と並行に動かす。

7 肩甲間部の手根揉捏法

 第7頸椎の外側約2cmの位置から、脊柱起立筋の筋腹に沿って下方に向かい、第7胸椎の高さまで行う。輪状に行うが脊柱や肩甲骨に手根が強くあたらないように注意する。

8 棘下部の手根揉捏

 棘下部(肩甲棘の下方)を内側から肩峰に向かって2・3か所揉捏する。

9 骨盤と肩関節後面の同時性手掌圧迫法

 右手掌で左腸骨上部を、左手掌で右肩関節後部を同時に圧迫する(背筋のストレッチ)。手を入れ替えて反対側も行う。

10 腰部第1線の両母指揉捏法

 両側の脊柱起立筋の筋腹に母指をあて、第7胸椎から第2仙椎付近まで。

11 腰部第1線・第2線の母指揉捏法

(1)脊柱起立筋の筋腹に沿って、第7胸椎から、第2仙椎の高さまで(1線)。
(2)脊柱起立筋の外縁に沿って、第12胸椎から、腸骨稜上縁の高さまで(2線)。

12 腰部全体の手根揉捏法

 脊柱起立筋の筋腹に手根をあて、第7胸椎から腸骨稜上縁の高さまで。脊柱起立筋・広背筋をなるべく広く大きく動かすことを意識する。

13 腰部外側のろとう揉捏法

 術者は患者の右方向に向く。左手掌は右手背に重ねる。右手根を左腰部外側におき、左脊柱起立筋を手根で押すように、右脊柱起立筋を四指で引っ張るように揉捏する(船の艪をこぐように)。

14 腰部第1線・第2線の両母指圧迫法

(1)両側の脊柱起立筋の筋腹に母指をあて、第7胸椎から第2仙椎付近まで(第1線)。
(2)両側脊柱起立筋の外縁に母指をあて、第12胸椎から腸骨稜上縁の高さまで。両母指で挟むように行う(第2線)。
 圧迫は漸増漸減圧になるよう、また患者の呼吸を意識して行う。患者によって、軽度・中程度・最強、それぞれの圧迫ができるよう練習しておく。

15 腰部正中線の手掌圧迫法

 左手掌を右手背に重ね、第7胸椎付近の棘突起にあてる。そこから、第2仙椎付近まで圧迫する。

☆ここより26までは、1側ずつ施術する(以下は、左を行う場合の説明)。

16 殿部から下肢への手掌軽擦法

 両手を腸骨稜に合わせておき、殿部から大腿・下腿部まで軽擦する。膝関節部付近からは左右の手で外側・内側を把握しながら下がる。

17 大転子周囲の手根揉捏法

 左手で大転子の上部・後上部・後部・後下部に手根揉捏を行う。支えの手は右側の大転子におく。

18 大腿後側の把握揉捏法

 患者の膝を屈曲させ、術者の右膝に乗せる。右手で下腿部を軽く固定し、左手で坐骨結節付近から大腿下部まで把握揉捏する。

19 大腿後側中央の交代性母指圧迫法

 患者及び術者の体位は18と同様。ただし、右手の固定は外す。坐骨結節から膝窩中央(委中穴)まで、坐骨神経の経路に沿って交代性に圧迫する。右手は母指以外の指を曲げ、患者の内股に触れないよう注意す る。

20 下腿後側の間欠圧迫法

 下腿三頭筋に対して、両手を使って交代性に間欠圧迫を行う。アキレス腱に対しては二指で把握する。

21 下腿前側、前脛骨筋への母指揉捏法

 患者の膝を屈曲させ、右手で下腿下部を固定。左手で脛骨粗面の外側から前脛骨筋に沿って足関節全面まで行う。

22 下腿外側、長腓骨筋への母指揉捏法

 患者及び術者の体位は21と同様。左手で腓骨頭下部から長腓骨筋に沿って外果の上方まで行う。

23 足底の両母指交代性圧迫法

 踵の後端から湧泉穴を通って指の付け根まで圧迫する。

24 足指の屈伸

 最初は足指をゆっくり屈伸させ、次に素早く屈伸させる。

25 足底への叩打法

 足底中央に拳打法を行う。このとき、通常の拳打とは異なり拳はねかせて叩く。(50回程度行う)

26 16の手掌軽擦法

☆16に戻って、右側の施術を行う。

27 肩背腰部への叩打法・曲手

 拳打、切打、合掌打、空気打(縮気打)、拍打、突手、車手、あおり手(横手)、挫手

☆必要に応じて、運動法を行う(大腿四頭筋のストレッチ等)。

28 1 の軽擦法


トップページへ