側臥位における全身按摩(50分)

注釈がある場合を除き、以下共通の事項とする。
1.時間の目安として、右半身20分、左半身20分、腹臥位の腰部10分で行う。
2.全ての手技は2回ずつ行うことを原則とするが、主訴の程度や時間等を考慮し回数を調整する(下肢は手技の数が多いため、1回ずつでもよい)。

1 肩背部の手掌軽擦法

(1)両手で肩上部を軽く把握し、第7胸椎の高さまで同時性に軽擦する。
(2)第7頸椎の高さから第7胸椎の高さまで、交代性に軽擦する。

2 肩上部僧帽筋の手掌把握牽引法

 両手を使って僧帽筋の上部線維を把握し、後頭部の方向に軽く牽引する。肩の大きさに応じて、1〜3か所程度、適宜行う。

3 肩上部の母指揉捏法

以下の2線に行う。
(1)頸の付け根から、僧帽筋上部線維の前縁に沿って肩峰まで揉捏する(第1線)。
(2)第7頸椎直側から、僧帽筋後縁を通って肩峰まで揉捏する(第2線)。
 いずれも左手で行う。1線は母指を前、四指を後ろにして行う。2線は母指を後ろ、四指を前にして行う。

4 肩甲間部の母指揉捏法

以下の2線に行う。
(1)脊柱起立筋の筋腹、菱形筋に沿って、第7頸椎の高さから第7胸椎の高さまで揉捏する。
(2)脊柱起立筋の外縁に沿って、第7頸椎の高さから第7胸椎の高さまで揉捏する。
(1)・(2)いずれも左手母指で行う。脊柱に対して平行に揉捏する。
☆半身の中で腰部の施術を行う場合には、第7胸椎の高さで右手母指に切り替え、仙骨上部の高さまで母指揉捏を行ってもよい。腰部を揉捏する場合は脊柱起立筋に対して垂直に行う。

5 肩甲骨内縁の母指揉捏法

 肩甲棘内端から下角まで揉捏する。途中までは左手で、下角付近は右手で行う。

6 肩甲間部の手根揉捏法

 脊柱起立筋の筋腹、菱形筋に沿って、第7頸椎の高さから第7胸椎の高さまで手根で揉捏する。左手手根を母指球側に傾けて行う。
☆半身の中で腰部の施術を行う場合には、このまま仙骨の高さまで揉捏する。

7 棘下部の手根揉捏法

以下の2線に行う。
(1)肩甲棘内端の下方から、肩峰の下方まで(1線)。
(2)肩甲骨下角から、肩峰の下方まで(2線)。
1・2線いずれも左手で行う。支えの手は肩峰付近に置く。

8 肩背部の交代性手掌軽擦法

1と同様

9 後頸部・側頸部の手掌軽擦法

 側頸部から上腕にかけて手ぬぐいをかける。左手は頭頂部で手ぬぐいを固定、右手で乳様突起から肩峰まで軽擦する。

10 後頭骨下縁の母指圧迫法

 左手母指で、F門穴、天柱穴、風池穴、完骨穴の4カ所を圧迫する。四指は左上方に向ける。支えの手は頭頂部に置く。

11 後頸部の手掌把握揉捏法

 左手で後頸部を把握し、輪状に揉捏する。左手母指が板状筋に当たるようにする。支えの手は頭頂部に置く。

12 胸鎖乳突筋の四指揉捏法

 右手で乳様突起の下方から胸鎖乳突筋に沿って、鎖骨内端付近まで揉捏する。支えの手は頭頂部に置く。

13 後頸部・側頸部の手掌軽擦法

9と同様

14 上肢全体の手掌軽擦法

 患者の上肢は伸ばし、手掌を体側に付けた状態にする。肩峰から手先まで手ぬぐいをかける。左手は肩峰付近で手ぬぐいを固定し、右手で上腕・前腕・手にかけて軽擦する。

15 肩甲骨外縁の母指揉捏法

 左手で、肩甲骨下角の外側から肩峰角まで揉捏する。母指は縦に動かす。支えの手は肩峰付近に置く。

16 鎖骨下部の四指揉捏法

 鎖骨下部、気戸穴から雲門穴にかけて四指揉捏を行う。患者が女性の場合は、省略してもよい。

17 三角筋の把握揉捏法

肩峰から三角筋粗面にかけて、右手で把握揉捏を行う。患者の体格に応じて、三角筋の前面・後面の2か所に分けて行う。支えの手は肩甲棘または肘関節に置く。

18 上腕から前腕にかけ、双手性(両手同時性)把握揉捏法

 上腕では右手で前側筋群、左手で後側筋群を把握する。前腕では、左右の手を入れ替え、右手で後側筋群、左手で前側筋群を把握する。

19 手背の手掌揉捏法

 右手手根を骨幹部付近に当て、輪状に揉捏する。支えの手は手掌側に置く。

20 手掌中央の同時性母指圧迫法

心包経の労宮穴(第2・第3中手骨間で、中手指節関節の近位)を中心に、2・3回圧迫する。1回の圧迫に5秒程度かけ、漸増漸減で行う。

21 各指の2指揉捏及び指ぬき

 母指と示指で各指を輪状揉捏・指ぬきする。

22 手関節の屈伸法

 左右の手で、主関節を握り、団扇で煽ぐように屈伸運動を行う。

23 上肢全体の手掌軽擦法

14と同様。

24 殿部・下肢の手掌軽擦法

 腸骨稜に両手を揃えて置き、足先まで軽擦する。下腿では、前後から挟むように行う。

25 殿部の手根揉捏法

以下の3線に行う。
(1)腸骨稜結節から大転子に向かう経路(1線)
(2)上後腸骨棘から大転子に向かう経路(2線)
(3)坐骨結節から大転子に向かう経路(3線)
 1線は右手で行い、支えの手は腸骨稜に置く。2・3線は左手で行い、支えの手は大転子に置く。

26 殿部の同時性母指圧迫法

 左右の母指を「ハ」の字に揃え、25と同じ経路に行う。

27 大腿後面の母指揉捏法

以下の2線に行う。
(1)坐骨結節から、大腿二頭筋に沿って、膝窩外側まで(1線)。
(2)坐骨結節から、半腱・半膜様筋に沿って、膝窩内側まで(2線)。
 1・2線いずれも左手で行う。支えの手は膝関節付近に置く。

28 大腿前面の四指揉捏法

 大腿前面の中央付近から、大腿直筋に沿って、膝蓋骨の上部まで右手で行う。支えの手は大腿後面に置く。

29 膝蓋骨の運動法

 両手で膝蓋骨を挟み、前後・左右に動かす。施術する側の膝関節は伸ばし軽く持ち上げる。反対側の膝は軽く曲げる。

30 下腿後面の母指揉捏法

 膝窩の下方から、下腿三頭筋の中央を通って、踵骨まで揉捏する。左手で行う。支えの手は足関節付近に置く。

31 下腿前面の母指揉捏法

 足三里穴から前脛骨筋に沿って、足関節前面まで揉捏する。左手で行う。支えの手は足関節付近に置く。

32 下腿外側の母指揉捏法

 陽陵泉穴から腓骨筋に沿って、外果まで揉捏する。左手で行う。支えの手は足関節付近に置く。

33 足部の圧搾揉捏法

 両手で足関節を把握し、そのまま足先にかけて、間欠的に圧搾する。

34 足指の屈伸法

 右手で指全体を包むようにし、素早く屈伸させる。

35 殿部・下肢の手掌軽擦法

24と同様。
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