第1章 生理学の基礎


1.細胞

(1)細胞膜

  ◎半透膜であり、選択的透過性を持つ。

  ◎リン脂質の二重層膜で、蛋白質がモザイク状に分布する。

(2)細胞小器官

 @ミトコンドリア…ATPを合成する。

 Aリボゾーム…蛋白質を合成する。

 Bリソソーム…不要物質を分解酵素により処理する。

 C中心体…細胞分裂の際に働く。

(3)核

  ◎DNAを含み、細胞増殖に重要である。

  ◎DNAは二重らせん構造を持つ。

  ◎染色質は細胞分裂の際に染色体となる。

  ◎染色体は核の中に存在する。

  ◎ヒトは46本の染色体を持つ。

2.解糖と呼吸

  ◎ATPがエネルギー源となる。

(1)解糖

  ◎無酸素的な反応で、ブドウ糖から乳酸が作られる。

(2)呼吸

  ◎酸素とブドウ糖が反応して水と炭酸ガスになる。

  ◎ブドウ糖は解糖→TCAサイクル→電子伝達系で処理される。

  ◎TCAサイクルと電子伝達系はミトコンドリア内の反応である。

  ◎解糖系の約20倍のATPを合成する。

3.体液と物質移動

(1)体液の区分と組成

  ◎体液は体重の約60%を占める。

  ◎体液のうち40%は細胞内液で、20%は細胞外液である。

  ◎細胞外液のうち15%は間質液で、5%は血漿である。

  ◎細胞外液にはナトリウムイオンや塩素イオンが多い(海水に似ている)。

  ◎細胞内液にはカリウムイオンや蛋白質陰イオンが多い。

(2)物質の移動

 @拡散

  ◎溶質分子が濃度の高い方から低い方へ移動する現象。

  ◎ガス交換などがその例である。

 A浸透

  ◎半透膜を介して水が濃度の低い方から高い方へ移動する現象。

  ◎血液の膠質浸透圧などがその例である。

 B能動輸送

  ◎物質を濃度勾配に逆らって、細胞内に取り込んだり、細胞外に排出する現象。

  ◎移動にはエネルギーが必要である。

  ◎ナトリウムポンプなどがその例である。

 C食作用・飲作用・開口放出

  ◎白血球の食作用などがその例である。

 D濾過

  ◎濾過膜に通すと、水や小さな粒子は通過するが、大きな粒子は残される現象。

  ◎腎臓の糸球体濾過などがその例である。

4.体液の酸塩基平衡

(1)正常値…PH7.4

(2)pHの維持・調節

  ◎重炭酸イオンが最も重要な働きをする。

  ◎肺から炭酸ガスを排泄し、腎臓から水素イオンを排泄する。

(3)酸塩基平衡の破綻

  ◎アシドーシスとはpHが低下する現象で、水素イオンが増加している。

  ◎アルカローシスとはpHが上昇する現象で、水酸イオンが増加している。


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