第13章 生体の防御機構


第1節 身体活動の協調

  ◎生体の全機性…視床下部を中心に各器官が協調して働くこと。

  ◎適応…環境変化に応答して生きること。

  ◎馴化…長期に渡る環境変化によって起こる生体の変化。

  ◎内部環境…体液(細胞外液)のことで、ベルナールにより提唱された。

  ◎恒常性(ホメオスタシス)の保持機能…フィードバック機構により内部環境は常に一定に保たれている。キャノンにより提唱された。

  ◎バイオリズムの形成…体内時計(視床下部の視交叉上核)で行われる。

第2節 疾病に対する防御

1.防御反応

(1)非特異的反応(皮膚、粘膜による防御)

  ◎局所に炎症が起こり、顆粒白血球、肥満細胞、マクロファージなどが働く。

(2)特異的反応(免疫反応)

  ◎各種リンパ球が働く。

2.炎症

  ◎微生物の侵入→肥満細胞からヒスタミン放出→毛細血管拡張→好中球遊走→微生物の取り込み(食作用)→組織の修復

3.免疫反応

(1)体液性免疫(B細胞が担当)

 @抗体…B細胞が形質細胞(プラズマ細胞)となって産生する。

 Aクローン…同じ抗体をつくるB細胞の系統をいう。

 B補体…血清中の酵素群で微生物の細胞膜を溶解(破壊)する。

 Cオプソニン作用…好中球の食作用を高める働きで、抗体や補体が行う。

(2)細胞性免疫(T細胞が担当)

  ◎T細胞は胸腺で成熟する。

 @キラーT細胞

  ◎ウイルス感染細胞、癌細胞、移植片などを直接攻撃する。

 A遅延反応T細胞

  ◎リンフォカインを放出し、遅延型過敏症を起こす(ツベルクリン反応)。

 ※キラーT細胞と遅延反応T細胞を合せて、エフェクターT細胞という。

 BヘルパーT細胞

  ◎体液性免疫(抗体産生)を促進する。

 CサプレッサーT細胞

  ◎体液性免疫(抗体産生)を抑制する。


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