第3章 呼吸


1.呼吸運動

(1)吸息

  ◎横隔膜と外肋間筋が収縮して胸郭が拡張すると、胸腔内陰圧が低下して肺が拡張して肺胞内に空気が入る。

(2)呼息

  ◎外肋間筋と横隔膜が弛緩(挙上)して胸郭が縮小すると、胸腔内圧が上昇して肺が縮小して肺胞から空気が出る。

2.血液のガス運搬

(1)酸素運搬

  ◎動脈血1dl中には酸素20mlが溶解し、その大部分はヘモグロビンと結合している。

  ◎ヘモグロビンと酸素の結合は酸素分圧が高いほど、炭酸ガス分圧が低いほど強く、酸素化ヘモグロビンの割合は増える。

(2)炭酸ガス運搬

  ◎80%は重炭酸イオンとして血漿中に溶けている。

  ◎物理的溶解は10%である。

  ◎ヘモグロビンとの結合は10%である。

3.呼吸運動の調節

(1)呼吸中枢

  ◎呼吸中枢は延髄にあり、呼息中枢と吸息中枢に区分される。

(2)反射性調節

 @ヘーリング・ブロイエル反射(肺迷走神経反射)

  ◎吸息を抑制し、呼息へ切り替える反射である。

  ◎吸息→肺が拡張→伸展受容器が興奮→迷走神経刺激→吸息中枢抑制→呼息中枢促進→呼息

 A化学受容器反射

  ◎動脈血中の酸素不足、炭酸ガス増加、pH低下などが起こると、頚動脈小体や大動脈体の化学受容器が興奮して、呼吸運動を促進する。


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