第5章 代謝と体温


第1節 食品と栄養

1.食品と栄養

  ◎五大栄養素…糖質・脂質・蛋白質・ビタミン・無機質

  ◎三大栄養素…糖質・脂質・蛋白質

2.栄養素の作用

  ◎エネルギー源…糖質

  ◎身体の構成成分…蛋白質(細胞質)、脂質(細胞膜)

  ◎身体機能の調節…ビタミン・無機質

(1)糖質

  ◎余分な糖質は肝臓や筋にグリコーゲンとして貯蔵される。

  ◎過剰な糖質は脂肪に変換される。

(2)脂質

(3)蛋白質

  ◎窒素を含む。

  ◎必須アミノ酸…体内で合成できないアミノ酸をいう。

 ※「フェリイ・メトロ・バス」と覚える。

  フェニールアラニン、リジン、イソロイシン、メチオニン、トリプトファン、ロイシン、バリン、スレオニン

(4)ビタミン

 @脂溶性ビタミン…ADEK

 A水溶性ビタミン…BC

 Bビタミン欠乏症

  ◎ビタミンA…夜盲症、角膜乾燥症

  ◎ビタミンB1…脚気

  ◎ビタミンB2…口角炎

  ◎ビタミンB6…神経炎

  ◎ニコチン酸…ペラグラ

  ◎ビタミンB12…悪性貧血

  ◎ビタミンC…壊血病、メルレルバロウ病

  ◎ビタミンD…くる病、骨軟化症

  ◎ビタミンE…不妊症

  ◎ビタミンK…血液凝固障害

(5)無機質

  ◎カルシウム…血液凝固や筋収縮に重要である。

  ◎迭…ヘモグロビンに含まれる。

第2節 代謝

1.基礎代謝

  ◎目ざめている状態で、安静臥床時の生命維持に必要な代謝をいう。

  ◎基礎代謝量…男子1500kcal/日、女子1200kcal/日

  ◎幼年期に高く、老年期に低い。

  ◎夏に低く、冬に高い。

  ◎体表面積に比例する。

2.特異動的作用

  ◎食後の体温上昇をいう。

3.呼吸商

  ◎呼吸商=排出した炭酸ガス量÷消費した酸素量

  ◎日本人の平均は0.82である。

  ◎糖質…1.0、脂質…0.7、蛋白質…0.8

第3節 体温

1.体温の部位差と変動

(1)体温の部位差

 @核心温度(深部温)

  ◎身体内部の温度で、一定のレベルに保たれる。

  ◎腋窩温…36.9℃、口腔温…37.2℃、直腸温…37.6℃

 A外殻温度(皮膚温)

  ◎体表面の温度で、四肢末端に向かうほど低くなる。

(2)体温の変動

 @一日の変動

  ◎夜間から早朝にかけて低く、日中は高い。

 A女性の体温

  ◎排卵前の低温期と排卵後の高温期があり、その差は約0.5℃である。

2.体熱の産生と放散

(1)体熱の産生(産熱)

 @基礎代謝…主に筋肉と肝臓で行われる。

A骨格筋の運動

 Bホルモン…甲状腺ホルモン(サイロキシン)、副腎髄質ホルモン(カテコールアミン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)により産熱量が増える。

 C特異動的作用…食後は体温が上昇する。

 Dふるえ産熱…寒いときに骨格筋の不随意的な律動的収縮によって体熱を産生する。

 E放熱の防止…交感神経の活動が高まり、皮膚血管の収縮と立毛が起こる。

(2)体熱の放散(放熱)

  ◎放熱は放射、伝導と対流、蒸発などの物理的機序で行われる。

  ◎30℃以上になると蒸発が急激に増加する。

  ◎35℃以上になると発汗が急激に増加する。

 ※29℃前後は温熱中間帯と呼ばれ、暖かさも寒さも感じない。

 @不感蒸散

  ◎常時起こっている体表面からの水の蒸発現象で、意識されない。

  ◎1日に約1リットルである。

 A発汗

 ア.汗腺の種類

  ◎エクリン腺(小汗腺)…全身に分布する。

  ◎アポクリン腺(大汗腺)…大部分は腋窩にある。

 イ.発汗の種類

  ◎温熱性発汗…皮膚温の上昇により手掌と足底を除く全身に起こる。

  ◎中枢…視床下部の体温調節中枢にある。

  ◎精神性発汗…精神緊張の際に手掌、足底、腋窩に起こる。

  ◎中枢…大脳皮質にある。

 B皮膚血管の拡張…交感神経の活動低下により起こる。

3.体温調節中枢

  ◎視床下部にある。

4.発熱のしくみ

  ◎発熱物質→体温調節中枢刺激→設定値上昇→産熱亢進、放熱抑制


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