第8章 生殖と成長


第1節 生殖

1.男性生殖器の働き

(1)精子形成

  ◎精巣の精細管で作られる。

  ◎セルトリ細胞が成熟を促進する。

(2)性反射

 @勃起…副交感神経の興奮によって起こる。

 A射精…交感神経の興奮によって起こる。

2.女性生殖器の働き

(1)性周期

 @卵巣周期

  ◎卵巣周期は卵胞期→排卵期→黄体期の順に進む。

 ア.卵胞期(1〜14日)

  ◎エストロゲンの分泌により子宮粘膜の増殖期を形成する。

 イ.排卵期(14日目ごろ)

  ◎黄体形成ホルモンの作用により排卵を起こす。

 ウ.黄体期(14〜28日)

  ◎黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌により子宮粘膜の分泌期を形成する。

 A月経周期(子宮内膜周期)

  ◎月経期→増殖期→分泌期の順に進み、28日周期である。

  ◎月経期と増殖期は卵巣周期の卵胞期に対応し、分泌期は黄体期に対応する。

 ア.月経期(1〜5日)…子宮内膜の脱落・出血が起こる。

 イ.増殖期(5〜14日)…エストロゲンの作用により子宮内膜が増殖する。

 ウ.分泌期(14〜28日)…プロゲステロンの作用により子宮内膜の分泌が高まる。

(2)妊娠

 @妊娠

  ◎受精は卵管で行われ、子宮内に移動して着床する。

 A分娩(出産)

  ◎オキシトシンの作用により子宮の激しい収縮(陣痛)が起こり、胎児が排出される。

 B乳汁分泌

  ◎プロラクチンの分泌により乳汁の分泌が促進される。

  ◎乳頭の吸引刺激により、オキシトシンの分泌が高まり、乳汁の排出が促される(射乳反射)。

第2節 成長

1.成長

(1)体重の経時的変化

  ◎S字状曲線を描く。

(2)各器官の成長

 @脳…出生後、急激に成長し、数年で成人のレベルに達する。

 A生殖器…思春期に成長率が急激に高まる。

 B胸腺…思春期に最大となり、その後退縮する。

2.老化

(1)細胞の寿命

  ◎神経細胞…その人と同じ寿命で最も長い。

  ◎腸管の上皮細胞…2〜5日

  ◎赤血球…120日

(2)生理的老化

 @種々の機能の加齢変化

  [30歳と80歳の比較]

  ◎神経伝達速度…15%低下

  ◎腎血流量…50%低下

  ◎肺活量…50%低下

 A個体間のばらつきの増大

 Bホメオスタシス機構の低下


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