@望診とは視覚によって患者を観察する方法である。
A望診では患者の顔色(五色)、姿勢や歩行、舌診などを診る。
B五臓の舌診部位
舌尖部 … 心と肺
舌中央部 … 脾
舌辺部 … 肝
舌根部 … 腎
@聞診とは聴覚と嗅覚によって患者を観察する方法である。
A聞診では患者の声や呼吸音、体臭(五香)などを聞く。
@問診とは患者の訴えを聞き取る診察法である。
A問診では病状や食事の嗜好(五味)などを尋ねる。
@切診とは患者の身体に触れて診察する方法である。
A切診には脈診、腹診、切経がある。
B脈状診では祖脈を診る。祖脈には浮脈、沈脈、遅脈、数脈、虚脈、実脈がある。
浮脈は浮いている脈で、表証でみられる。
沈脈は沈んでいる脈で、裏証でみられる。
遅脈は術者の1呼吸に3動以下の遅い脈で、寒証でみられる。
数脈は術者の1呼吸に6動以上の速い脈で、熱証でみられる。
虚脈は力がなく細い脈で、虚証でみられる。
実脈は力強い脈で、実証でみられる。
C五臓診
心 … 心下部
肝 … 臍の左側
肺 … 臍の右側
脾 … 中央部
腎 … 下腹部
E特定腹証
心下痞硬 … 心下部に充満感や抵抗があるもので、心や心包の病である。
胸脇苦満 … 肋骨弓下部に充満感や抵抗があるもので、肝や胆の病である。
小腹急結 … 左下腹部に抵抗や硬結があるもので、U血である。
小腹不仁 … 下腹部に力がなく知覚麻痺や鈍麻を伴うもので、腎虚である。
F切診は経絡や経穴の反応を触診する方法である。
実証の反応 … 圧痛(実痛)、硬結(拒按)、緊張、熱感などがある。
虚証の反応 … 圧痛(虚痛)、硬結(喜按)、陥下、冷え感、不仁、皮膚のざらつきなどがある。