四診法


(1)望診

 @望診とは視覚によって患者を観察する方法である。

 A望診では患者の顔色(五色)、姿勢や歩行、舌診などを診る。

 B五臓の舌診部位

  舌尖部 … 心と肺

  舌中央部 … 脾

  舌辺部 … 肝

  舌根部 … 腎

(2)聞診

 @聞診とは聴覚と嗅覚によって患者を観察する方法である。

 A聞診では患者の声や呼吸音、体臭(五香)などを聞く。

(3)問診

 @問診とは患者の訴えを聞き取る診察法である。

 A問診では病状や食事の嗜好(五味)などを尋ねる。

(4)切診

 @切診とは患者の身体に触れて診察する方法である。

 A切診には脈診、腹診、切経がある。

 B脈状診では祖脈を診る。祖脈には浮脈、沈脈、遅脈、数脈、虚脈、実脈がある。

  浮脈は浮いている脈で、表証でみられる。

  沈脈は沈んでいる脈で、裏証でみられる。

  遅脈は術者の1呼吸に3動以下の遅い脈で、寒証でみられる。

  数脈は術者の1呼吸に6動以上の速い脈で、熱証でみられる。

  虚脈は力がなく細い脈で、虚証でみられる。

  実脈は力強い脈で、実証でみられる。

 C五臓診

  心 … 心下部

  肝 … 臍の左側

  肺 … 臍の右側

  脾 … 中央部

  腎 … 下腹部

 E特定腹証

  心下痞硬 … 心下部に充満感や抵抗があるもので、心や心包の病である。

  胸脇苦満 … 肋骨弓下部に充満感や抵抗があるもので、肝や胆の病である。

  小腹急結 … 左下腹部に抵抗や硬結があるもので、U血である。

  小腹不仁 … 下腹部に力がなく知覚麻痺や鈍麻を伴うもので、腎虚である。

 F切診は経絡や経穴の反応を触診する方法である。

  実証の反応 … 圧痛(実痛)、硬結(拒按)、緊張、熱感などがある。

  虚証の反応 … 圧痛(虚痛)、硬結(喜按)、陥下、冷え感、不仁、皮膚のざらつきなどがある。


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